健康な歯の構造についての話その②

 

みなさんこんにちは。お元気でしたか?院長のコータローです。最近忙しく気づけば前回投稿から約1ヶ月空いてしまいました。もう少し頻度をあげて書けるよう頑張って行きたいと思います。

さて、今回は前回(健康な歯の構造についての話その①←クリックで本文見れます)の続きですね。歯髄とセメント質についてですね。その前に少しおさらいです。

 

 

 

 

 

健康な歯は歯茎の上の部分(歯冠)と歯茎の下の部分(歯根)に分けることが出来ます。そしてそのどちらもが三層構造になっています。

歯茎の上の部分(歯冠)は外側から、エナメル質、象牙質、歯髄となっています。

歯茎の下の部分(歯根)は外側から、セメント質、象牙質、歯髄となっています。

注:一応セメント質は組織学の分類でいうと、歯の一部ではなく、歯周組織(歯の周りの組織)の一部に分類されます。ただ、歯を一つの塊で見た場合にはセメント質までが歯っぽいなと思うので、このように分けさせていただきます。

 

 

エナメル質は人体で最も硬い組織。一度完成すると再生したり新しく作られたりしない。

象牙質は骨くらいの硬さの組織で、外からの刺激を神経に伝える働きがある。ここまでが前回までの復習ですね。

 

 

 

 

次は歯髄(いわゆる歯の神経)です。

歯医者さんで歯の神経の治療をする、というのはこの歯髄の治療をする、ということにあたります。歯髄には神経だけではなくて、血管や色んな細胞を含んでいます。象牙質と歯髄の境目辺りには象牙質を内側から新しく作る細胞がいます。外からの刺激で緩やかに象牙質を作っていきます。部分銀歯をつけた後だんだんシミが弱まるもう一つの理由でもあります。外の世界と神経との距離が遠くなるので少し刺激に対して鈍感になっていきます。また、神経が入っている空間にどんどん象牙質が作られるので、結果的に歯髄はその体積が歳とともに少なくなって行くのも特徴かと思われます。

 

 

最後にセメント質です。

セメント質は組織学の分類でいうと、歯の一部ではなく、歯周組織(歯の周りの組織)の一部に分類されます。ただ、歯を一つの塊で見た場合にはセメント質までが歯っぽいなと思うので、ここで紹介させていただきます。

セメント質は成分的には骨に似た成分となっていますが、血管や神経が無いという点で骨とは異なります。歯の根っこの象牙質の表面を覆っています。セメント質のさらに外側にある歯根膜という腱のような組織によってそのさらに外側にある歯槽骨(歯茎の中にある歯の根っこを抱え込んでいる骨)と強く結びついています。セメント質自体は増える能力はありませんが、歯根膜の中でセメント質の素が作られて、それがセメント質の表面にくっつくことで増えていきます。

 

 

 

サクッと説明するつもりがだいぶ長くなってしまいました。歯のことに少しでも理解が深まればなと思います。