健康な歯の構造についての話その①

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みなさんこんにちは。院長のコータローです。最近のブログを読み返してみると歯周病に関連するお話が多かったので、今日は健康な状態の歯はどのようになっているのかについてお話していこうかと思います。

 

 

健康な歯は歯茎の上の部分(歯冠)と歯茎の下の部分(歯根)に分けることが出来ます。そしてそのどちらもが三層構造になっています。

歯茎の上の部分(歯冠)は外側から、エナメル質、象牙質、歯髄となっています。

歯茎の下の部分(歯根)は外側から、セメント質、象牙質、歯髄となっています。

注:一応セメント質は組織学の分類でいうと、歯の一部ではなく、歯周組織(歯の周りの組織)の一部に分類されます。ただ、歯を一つの塊で見た場合にはセメント質までが歯っぽいなと思うので、このように分けさせていただきます。

 

次にそれぞれの特徴についてお話を進めていきます。

 

まずはエナメル質です。

その最大の特徴はその硬さです。人体の中で最も硬いのがこのエナメル質です。あまりにも硬いので歯を削る器具の先にダイアモンドの粉が埋め込まれているものさえあります。二つ目の特徴はエナメル質はその内部に神経や血管がないのも特徴となっています。そのためここが欠けたとしても、痛みも無ければ血も出ません。なので虫歯でエナメル質が侵されても症状がないので、気づかないうちに虫歯が進行してしまうのはこういった背景も関係しています。三つ目の特徴としては一度エナメル質が完成してしまうと再生したり修復したりしないことです。歯はとっても硬いんだ!もっと歯を鍛えるぞ!!っと思ってカチカチのものをガシガシ咬んでいると歯が欠けてしまう事もあります。欠けたら欠けっぱなしなので食事の際は注意が必要ですね。

 

 

次は象牙質です。

その成分は骨と同じようなものからできています。特徴的なのは歯髄(いわゆる歯の神経)から円錐状にエナメル質の方へと象牙細管という管が伸びていることです。この象牙細管を通してエナメル質で触れた熱いものや冷たいものの感覚を歯髄へ伝えます。象牙細管の直径は歯髄に近づけば近づくだけ長くなります。なので、神経に近づけば近づくだけ、象牙細管の断面積は大きくなります。

 

つまり、同じ横幅のサイズの虫歯でも深さが深くなるほど、虫歯を取った後の露出する象牙細管の断面積の総面積が大きくなるため、処置後のシミは出やすくなります。時間の経過とともに外からの刺激などで象牙細管は象牙質に置き換わっていき、その直径が短くなっていきます。つまり、もとよりも直径が小さくなった分だけ象牙細管の断面の総面積が小さくなります。部分銀歯をくっつけた後シミてたのがだんだんと馴染んでくる一つの理由はここにあります。もちろん私たち歯科医師も、よりシミが出にくくなるよう虫歯の深いところにはお薬を使ったりと工夫もしています。

 

 

絵や字が下手でスミマセン(汗)

 

二つの項目でだいぶ文章がかさんだので、二話に分けて書くことにします。長い文章をパソコンやケータイで見ていると目が疲れますしね。それではお疲れ様でした。