①歯科診療におけるデジタル化の現状

年々自然環境問題が数多く取り上げられておりますが、歯科診療では衛生面においてディスポーザブルのものがとても多く、自然に優しいものとは程遠いように感じておりました。

しかし、歯科医療界でもデジタル化が進み自然環境にとっても優しい取り組みが可能となってきています。

例えば、昔は紙媒体にて毎月レセプト用紙を提出していたのが、レセプトコンピュータの出現によって電子データで送付することが可能となり、紙の大きな節約ができるようになりました。また、従来、歯の型取りのために必要であった印象材(粘土のような材料)や型取り後に歯型模型を作成するための石膏は、口腔内スキャナーの出現によって不要となりました。

デジタル化が進むことによって、従来の歯科治療では必要不可欠で使用後は破棄の道しかなかったものを使用せずに済むこととなりました。また、型取りの際に印象材を口腔内に入れずに済むことから、患者様への大きな負担減、感染リスクの減も実現できます。さらに、デジタル化によって、治療の再現性・保存性の向上と効率化によって、私たち医療従事者にも大きなメリットがあります。

②当院におけるデジタル化のビジョン

当院のこれまでの取り組み

  1. レセプトコンピュータによる紙レセプトの廃止、電子媒体での送付。
  2. 自動器具洗浄機導入による節水と感染リスク減。
  3. 自動釣銭機による入出金の確実な管理と感染リスク減。
  4. クレジットカード決済(自費診療のみ)による感染リスク減。
  5. CTI連携:電話とレセプトコンピュータを連携することで、電話が鳴ると同時に来院履歴のある患者様の情報をPC上で瞬時に把握することが出来、紙でメモを取る必要のある回数が減。
  6. 従業員タイムカードの廃止・顔認証クラウド管理による紙媒体の廃止と感染リスク減・厳密な勤怠管理による確実な残業時間の把握。
  7. 発注先管理の為の紙媒体廃止・PC内での検索プログラムの導入

他にも初診と久しぶりに受診される方はWeb予約が可能になった等、どんどんデジタル化を進めております。(再診の方の予約は治療内容の関係上現在はお取りできない状況になっておりますが、今後改善し可能になるよう努力している次第であります)

当院はこれまで上記のことを行い、より安心・安全な診療を提供して参りました。デジタル化を更に進めていくことで、患者様の満足度の向上と当院の治療の効率化を実現し、限りある自然に対して優しい取り組みを行ないたいと考えています。

③当院においてデジタル化を実現するための具体的な方策

今後進めていきたい取り組みはいくつもありますが、近々取り入れる予定のもの物は以下のとおりとなります。

1.紙媒体での問診票の廃止
医療機関で使用される問診票。来院したら必ず紙に記入する問診表をタブレット入力に移行し、廃止いたします。
記入時の誤字脱字の回避や、紙媒体ではどうしても出来なかった文字の拡大や読み上げ機能等、様々な対応が可能となります。紙の廃止による自然環境への配慮はもちろんのこと、患者様と当院によってより良い結果をもたらすことになります。

2.特定の補綴物やマウスピース矯正装置作成のための型取りの材料の廃止
口腔内スキャナーを導入することで、型取時の不快感を無くし、より精密なものをご提供することが可能になると考えております。

3.セファロエックス線規格撮影装置と分析ソフトの導入
嚙み合わせをさらに正確に診査・診断できるようになり、治療の質が向上いたします。

4.マイクロスコープの導入
肉眼で目視不可能なレベルの難治療へのアプローチが可能となり、より質の高い治療を提供できます。

5.マイナンバーリーダーの導入
保険証確認の簡素化と感染リスク減を実現できます。

 

④ ③の方策を進めるための組織体制

上記のデジタル化を実現するための具体的な方策を実現するためには、組織体制が重要です。院長を中心として、以下のとおりに体制を強化していくことで最大限に効果を発揮できると考えております。

  1. 機器の使用法・手順を院内研修にて学習していきます。
  2. 連携可能な方々(歯科技工士やその分野のスペシャリスト等)との密な打ち合わせを行います。
  3. 機器の使用前に予測されるトラブルの把握、使用状況のモニタリング、使用後のモニタリング結果の分析、今後使用するための改善の取り組みを行います。
    また、機器を使用する上で衛生管理等のメインテナンスは必須であり、医療機関として大前提である「清潔さ」を重要視し、機器毎にメインテナンス責任者を設置します。

以上のように、当院はこれまでも、そしてこれからもデジタル化を積極的に進め、『安心』『安全』『自然に優しい』『質の高い』『確実な』ものを皆様に提供し続けられるよう努力いたします。